【先天性心疾患】公的医療制度と公的手当の概要、手続き方法まとめ
先天性心疾患をもって産まれてくる赤ちゃんのための「公的医療制度」と「公的手当」の概要と「手続き方法」についてまとめます。
- (1)公的医療制度の概要
- (2)公的手当の概要
- (3)産まれてからの手続き方法
(1)公的医療制度の概要
①高額療養費制度
医療費の自己負担額が高額になる場合、一定の金額(自己負担限度額)を超えた分が払い戻される制度。
※ 事前に保険者へ「限度額認定通知証」の交付を受けることで、病院の窓口での支払いを自己負担限度額以内にとどめることができる。
入院前など高額になることが想定される場合、「限度額認定通知証」は必須!!
②自立支援医療(育成医療)
満18歳未満で、身体に障がい、または将来障がいを残すと認められる疾患がある児童が、その障がいを除去・軽減する効果が期待できる手術など治療にかかる医療費(保険診療分)を一部公費負担する制度。
※入院・手術の前に申請が必要。(事前申請のみ)
※所得制限あり。
※食事療養費、健康保険が適用にならない治療や投薬、診断書代、差額ベッド代などは助成対象外。
③小児慢性特定疾病医療費助成制度
満18歳未満で、小児慢性疾患対象疾病にかかっている児童などについて、その医療費(保険診療分)の自己負担分の一部を助成する制度。
月額自己負担上限額は医療保険における世帯の区市町村民税額(所得割)に応じて決定する。
認定された方には、認定病名などが記載された「小児慢性特定疾病医療受給者証」が交付される。医療受給者証の助成期間は、12か月となる。引き続き治療を継続する場合は、助成期間終了前に更新手続きを行う必要がある。
※18歳以降についても、継続して更新手続きを行った場合に限り、20歳まで延長可能。
※認定された病名以外は、この医療受給者証の使用は不可。
◎子ども医療費助成(参考)※市区町村制度
健康保険に加入している中学校卒業(15歳到達後最初の3月31日)までの子どもを養育する方に、医療機関などに支払う医療費のうち、保険診療の自己負担分を助成する制度。
※東京都の場合。(自治体により年齢や所得制限の有無など条件が異なる)
※「自立支援(育成)医療」、「小児慢性疾患医療助成」など他の公費負担制度が適用される場合は、それらの公費医療が優先適用される。
※どの制度を利用するべきかは病院へご相談ください。
(2)公的手当の概要
①特別児童扶養手当 ※国制度
20歳未満の精神または身体に障がいを有する児童を家庭で監護、養育している父母などに支給される手当。
心機能障がいについては「特児認定診断書」で申請。
※所得制限あり
手当額(児童1人につき)
〇重度の児童【1級】(身障手帳1・2級) 月額 51,700円
〇中度の児童【2級】(身障手帳3級) 月額 34,430円
◎児童手当(参考) ※国制度
15歳に達する日以後の最初の3月31日までの児童を養育している方に支給される手当。
手当額(児童1人につき)
〇所得制限限度額未満
・3歳未満 月額 15,000円
・3歳以上小学校修了前(第1・2子) 月額 10,000円
・3歳以上小学校終了前(第3子) 月額 15,000円
・中学生 月額 10,000円
〇所得制限限度額以上
・児童1人あたり一律 月額 5,000円
※手当は申請翌月から支給、手続きが遅れた場合は遡及不可。出生届と同じタイミングで申請することがベスト!
(3)産まれてからの手続き方法
1)出生届を提出(2週間以内)
申請先:市区町村窓口
必要書類:出生届、母子手帳、印鑑
2)児童手当の申請(2週間以内)
申請先:市区町村窓口
必要書類:児童手当・特例給付請求書、認印、口座番号がわかるもの、(世帯主の)健康保険証、(両親の)マイナンバー通知書
3)健康保険加入の申請
申請先:保険者
必要書類:保険者へ確認
4)子ども医療費助成の申請(健康保険加入後すみやかに)
申請先:市区町村窓口
必要書類:(子どもの)健康保険証
※東京都の場合、「子ども医療費助成」で保険診療分は全額助成されるため、「育成医療」と「小児慢性」は急いで申請する必要はない。「育成医療」は18歳まで「小児慢性」は最大20歳まで延長可能なため、15歳以降も治療が必要な場合は申請が必要。
5)必要であれば ⇒「限度額認定通知証」の交付依頼
申請先:保険者
必要書類:保険者へ確認
※ 期限(最大3か月)があるため、入院や手術の都度申請が必要
6)手術が決まったら ⇒ 「自立支援医療(育成医療)」の申請
申請先:市区町村窓口
必要書類:育成医療給付申請書、育成医療意見書、世帯調書、住民税課税証明書、(子の)健康保険証
※ 事前申請のみ
※ 期限(最大3か月)があるため、手術の都度申請が必要
7)治療が長引くようであれば ⇒ 「小児慢性特定疾病医療受給者証」の申請
申請先:市区町村窓口
※ 期限(1年)があるため、毎年更新手続きが必要
8)特別児童扶養手当に該当すれば⇒「特別児童扶養手当」の申請
申請先:市区町村窓口
必要書類:戸籍謄本(世帯主と子)、身体障がい者手帳 または 特別児童扶養手当認定診断書、口座番号がわかるもの、印鑑
以上、調べた範囲でまとめてみました。
必要書類は自治体によって多少異なると思いますので、お住まいの市区町村窓口へご確認ください。